余剰電力の固定価格での買取期間が満了して、これまで通りの価格で売電できなくなるんですが、どうしたらいいんでしょうか。
太陽光発電を設置したが、卒FITを迎える方が増えてきています。どのように対策したらいいのかについて、まとめました。
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卒FITとは?
卒FIT
- 「固定価格買取制度(FIT)」の期間が満了した卒FITユーザーは、余った電力をこれまでの価格で売ることができなくなります。固定買い取り制度(FIT)は、太陽光発電を普及させるために国がつくった制度です。太陽光発電設備を設置後10年間は、余剰電力を地域の電力会社に高値(2010年度までに設置の場合は48円/kWh)で買い取ってもらうことができました。
固定買い取り制度の期間の満了後(卒FIT)の対策は?
では、固定買取制度の期間が満了した卒FIT後は、どうしたらいいのでしょうか?
対策として、以下の3つの方法があります。
- 続けて同じ電力会社にFITよりも低い額で売電する
- 条件が高い新たな電力会社、新電力事業者に乗り換える
- 蓄電池を利用し、自家消費に移行する
方法① 続けて同じ電力会社にFITよりも低い額で売電する
卒FIT後も、そのまま続けて同じ電力会社にFITよりも低い額で売電する場合、電力会社によって異なりますが、売電電単価は7円~9円/kwhです。(例:関西電力 8円/kwh(2024年7月時点)
そのまま続けて同じ電力会社に売電する場合の売電単価↓↓
エリア | 地域電力会社 |
北海道電力エリア | 8.0円 |
東北電力エリア | 9.0円 |
東京電力エリア | 8.5円 |
中部電力エリア | 7.0円 |
関西電力エリア | 8.0円 |
北陸電力エリア | 8.0円 |
中国電力エリア | 7.15円 |
四国電力エリア | 7.0円 |
九州電力エリア | 7.0円 |
沖縄電力エリア | 7.7円 |
- メリット:面倒な手続きが必要ない
- デメリット:売電金額が最も安い
そのまま続けて同じ電力会社にFITよりも低い額で売電する場合のメリットは、面倒な手続きが必要ないことです。デメリットは、売電金額が最も安くなります。
方法②条件が高い新たな電力会社、新電力事業者に乗り換える
卒FIT後は、大手電力会社に加えて、新電力会社に売電することもできます。
「新電力事業者」とは新しく参入してきた電力会社のことで、大手電力会社よりも高い価格で電気を買い取ってもらえるケースが多いです。売電先の変更はできるだけ高く電気を売りたい人におすすめです。
新電力の卒FIT電力買取サービスの例を紹介します。
大手電力会社よりも1円~2円ほど高い買取価格になっています。
新電力の卒FIT電力買取サービス 例
- スミリンでんき:11円/kWh
- コープこうべ:9円/kwh
- ENEOS太陽光買取サービス:7.5~11円/kWh
- 大阪ガス:9.5~10.5円/kWh
- ミツウロコでんき:8.0~9.0円/kWh
- 丸紅新電力: 11円/kWh
- メリット:サービスによっては少し買取価格が上がる
- デメリット:切り替え手続きが必要。今後価格変動の可能性がある
方法③蓄電池を利用し、自家消費に移行する
太陽光発電システムでつくった電力を蓄電池に貯めて使うことで、購入する電力を減らせます。
蓄電池に貯めた電気を使うことで、日中の割高な電気と同じ価値を持つことになります!
メリット1.経済効果
自家消費に切り替える1つ目のメリットは、電気代の削減効果が見込める点です。
太陽光発電で得られた電力を自家消費に充てることで、電力会社からの電力購入量を大幅に減らすことが可能です。
発電コストのみで電力をまかなえるため、長期的には大きな節約効果が期待できるでしょう。特に電気料金が高騰している昨今では、自家消費による経済的メリットはより大きくなっています。
世帯人数 | 電気代平均 |
一人暮らし | 1日6.1kWh・月185kWhで5,200円/月(季節差4,700~6,200円) |
2人世帯 | 1日10.5kWh・月320kWhで8,900円/月(季節差8,000~10,700円) |
3人世帯 | 1日12.2kWh・月370kWhで10,400円/月(季節差9,400~12,500円) |
4人世帯 | 1日13.1kWh・月400kWhで11,200円/月(季節差10,100~13,400円) |
5人世帯 | 1日14.8kWh・月450kWhで12,600円/月(季節差11,300~15,100円) |
6人以上世帯 | 1日18.4kWh・月560kWhで15,700円/月(季節差14,100~18,800円) |
※蓄電池は、上の表の使用量と電気代を目安に蓄電池の容量を選択します。
メリット2.非常用電源として活用できる
太陽光発電と蓄電池を組み合わせた自家消費システムは、停電や災害時においても電力を供給し続けることができます。
もしも自然災害によって停電が発生したとしても、自家消費システムによって最低限の生活水準を維持できます。
近年、自然災害の頻発化に伴い、非常用電源の重要性が高まっています。自家消費システムを導入することで、万が一の際にも家族の安全を守る備えを整えることができるのです。
【蓄電池システム(10kWh)で使える電気製品の例】
電気製品 | 使用時間 | 使用電力 |
冷蔵庫(450L) | 48時間 | 2,280Wh |
LED照明(8畳) | 24時間 | 644Wh |
液晶テレビ(49型) | 5時間 | 864Wh |
電子レンジ(500W) | 10分 | 218Wh |
炊飯器(5.5合) | 40分(2回) | 444Wh |
エアコン(8畳用) | 5時間 | 3622Wh |
スマホ充電(4台) | 8時間(1台1時間) | 22Wh |
ノートパソコン | 24時間 | 1,440Wh |
蓄電池を選ぶポイント
蓄電池は、特定負荷と全負荷という2種類があります。
「特定負荷」とは、停電時家の一部で電気を使用することができます。
「全負荷」とは、停電時家全体の電気を賄うことができます。
また、全負荷型の方が電気代の削減量が大きく自給自足に近づけます。
自家消費のデメリット:初期投資が必要
蓄電池導入には初期費用が必要になります。
蓄電池の容量、メーカーにもよりますが100~400万円程度の機器代金と設置工事費がかかります。
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