固定価格買取制度(FIT)は2012年に始まり、20年間の買取期間に対して半分の10年を超えている案件も増えてきました。このようなFIT初期の案件で、特に厄介な問題が顕在化してきています。
その問題とは、太陽光パネルに不具合が起きた際に、交換用のパネルが無くなってきていることです。
今回は、「交換する太陽光パネルが無い!」問題について、解説していきます。
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交換する太陽光パネルの出力と寸法の問題は今後も増加
FIT初期案件に設置された、製造時から年月が長く経った太陽光パネルを中心に、以前のようにメーカーから当初と「同じ出力で同じ大きさ」のパネルを提供してもらうことによって補償してもらうことが難しくなってきています。
真ん中に不具合パネルがあると同じ大きさのパネルでなければ交換出来ない
太陽光パネルの大型化・大出力化
FIT初期と同じ太陽光パネルが入手できなくなっている理由の1つが、パネルの大型化・大出力化です。FIT初期の10年前に製造・販売されていたのは出力250W~260Wのパネルが主流でした。その後、大型化・高出力化が年々進み、現在は出力500W/枚以上のパネルが主流となっています。
出力はパネルを構成するセルの発電効率、1枚の大きさ、構成枚数によって概ね決まるので、出力が大きくなると大型化することになります。現在主流のパネルは10年前より1~2割程度大型化してしまっているのです。
寸法の問題に加えて、出力の問題
出力250W前後のパネルに不具合が生じ、そこに現在の出力500W/枚以上のパネルに交換しようとすると、寸法が大きいためにそのままでは架台にはめ込むことができません。
寸法の問題以前に、出力が2倍以上になっていることで、そのまま同じストリング(太陽光パネルを接続する単位)につなぐことが難しくなっています。
大きく出力が異なるパネルで同じストリングを構成すると、大きな出力のパネルは本来の能力を発揮できません。詳しくは、後述の代替パネルの選定でご説明します。
太陽光パネルメーカーが、こうした過去の製品や類似する出力と寸法のパネルの備蓄を使い果たしている場合に、メーカーによる適切な補償が受けられなくなるのが大きな問題となっています。
太陽光パネルメーカーがパネル製造・販売事業から撤退していたり、倒産している例も増えています。この場合は泣き寝入りとなる例が多くなっています。
今後さらに年月が経ってくると、不具合によって交換する太陽光パネルの出力と寸法に関する問題はいま以上に増えてくるものと予想されます。
同じサイズが無い場合の太陽光パネルの交換方法
同じサイズの代替パネルが見つからない場合の具体的な、交換方法をご紹介します。
- ①故障等した不良太陽光パネルを取り外します。
- ②空いたスペースに、故障していない正常な同じサイズのパネルをスライドさせて設置します。
- ③そして、一番端に、サイズが大きい代替パネルを取り付けます。
このように、大きいパネルを設置はできたとしても、異なるサイズ、異なる出力の代替パネルを使用する場合、代替パネルの選定には、注意が必要です。
代替パネルの選定
大きく出力が異なるパネルで同じストリングを構成すると、大きな出力のパネルは本来の能力を発揮できません。
まず、交換する太陽光パネルの互換性を調べます。
使用するパネルや機器により交換可能枚数が変わります。
規定値を超えて設置すると、機器の故障にもつながりますので注意が必要です。
リパワリングを考えたパネル交換
太陽光パネルの増設・更新の買い取り価格が、本年度にルール見直しされることが決まりました。
これまでは出力が3kw未満かつ3%未満でなければ、設備全体の売電単価が下がるというルールがありました。
新ルールでは増設部分のみ新単価となります。
このことから、現在のパネルを問題のないうちに出力の高いパネルに交換し、現在のパネルを今後の不具合の為に保管しておくという方法も検討出来ます。
太陽光パネルの交換、代替品の選定は専門的な知識が必要となります。
また、個人ではパネル購入が難しいこともあります。
ジオリゾームでは国内、国外パネルの取り扱いしており代替パネルの選定、交換も可能ですのでお気軽にお問合せください。
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