太陽光発電は経年劣化していき、設置から10年~15年程度で修理・交換が必要になりますよね。そこで、今注目されているのがリパワリングだと思いますが、リパワリングって?
そこで今回は、太陽光発電におけるリパワリングの意味や特徴、メリットや注意点について詳しく解説します。
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リパワリングとは?
太陽光発電のリパワリングとは、パワーコンディショナや太陽光パネルを新しい機器に交換するなどして発電量を回復させる方法です。
減った発電量を復活させるための有効な方法のひとつが、パワコン交換によるリパワリングです。新しいパワコンに交換すれば、太陽光発電システムの発電効率が改善します。
このため、リパワリング前よりも発電量が増加して、運転開始から時間が経った発電所でも安定した売電収入が期待できます。
太陽光発電に、なぜリパワリングが必要なのか?
理由は2つあります
ポイント
- 経年劣化によって発電量が減るため
- 最新技術を導入して発電効率を上げるため
経年劣化による発電量減少
一般的にPCSの寿命は10~15年程度、パネルの寿命は20~30年程度と言われています。
しかし、太陽光発電システムは毎日発電と停止を繰り返しており、設備の経年劣化によって発電効率が低下し、発電量も減少していきます。
太陽光パネルの劣化率を測定した試験データがあり、年間で0.47~0.75%の経年劣化が発生しており、発電量1%未満の発電所は健全といわれています。
最新技術によって発電効率を上げる
太陽光パネルやパワーコンディショナに組み込まれている半導体技術は、向上し続けています。太陽光パネルの太陽電池は、技術向上によって発電効率20.0%を超えサイズは大型になり同じ設置面積での発電量は大幅に増加しています。
他にもパワーコンディショナの技術は、電力の変換効率に加えて、制御機能や熱暴走防止の送付機内蔵、サイズの小型化など、さまざまな点で向上しています。
集中型から分散型へ
リパワリングの方法として、パワコンを集中型から分散型に置き換える方法があります。
とくに早期に建てられた太陽光発電所は、ほとんどが当時主流だった集中型パワコンを採用していることが多いです。今日なら分散型パワコンが採用されるようなケースでも集中型パワコンが設置されていることがあります。
そうした発電所では、集中型パワコンを最新の分散型パワコンに変更することで、大きなリパワリング効果を得ることができます。
リパワリングのメリット
リパワリングのメリットをまとめていきます。メリットは、以下の3つです。
ポイント
- 発電量と売電収入増加、長期間安定稼働の実現
- 新しいパワーコンディショナに取り替えることで保証切れのリスクから回避できる
- 集中型から分散型パワーコンディショナに変更することで故障のリスクも分散
これはAC500kwの太陽光発電所の集中型パワコンを分散型パワコンに変えた場合のシミュレーションです。発電量は年間1%低下し11年目にパワコンを交換することで10年目と比較すると約16%の発電量増加が見込めます。
多くのパワコンの保証期間は10年です。これにあわせてパワコンを変えることによりFIT期間の残り10年保証を受けることが出来ます。
売電収益だけではなく集中型から分散型にすることによりO&M費用の削減も可能となります。集中型パワコンはメーカー修理費・部品代が高く、また故障してしまうとその間発電所の売電が何か月もゼロになってしまいます。分散型が一気に全台数止まることの可能性は非常に少なく、また点検費用も安価になることが見込めます。
注意点として、現在の発電所の状況の正確な把握が必要となります。
当社では、特殊ソフトを用いた発電所解析が可能ですので、お気軽にご相談ください。
リパワリングは新しいパワコンの費用とその他工事費など多額の費用がかかってきます。発電量の上昇だけではなく、費用対効果がどの程度あるのか、これから発電所をどう維持していくのかが重要となるでしょう。
ジオリゾームでは発電所の正確な状況を把握する為、独自の発電所解析を行っております。
次回はジオリゾームの発電所解析とリスク認証検査について解説していきます。
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