自家消費型太陽光発電って、色んなパターンがあるみたいですね?メリットやデメリットは?
自家消費型太陽光発電には、自社所有の他に、オンサイトPPA、自己託送、オフサイトPPAがあります。メリットやデメリットもご説明します。
なぜいま自家消費型太陽光発電なのか?
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。今後の再生エネルギー政策については再エネ比率を36~38%という従来計画の概ね1.6倍という目標を設定し、その達成のために多くの企業が脱炭素の動きを加速しています。
環境省も脱炭素の基盤となる重点対策のひとつに【屋根置きなど自家消費型の太陽光発電】をあげています。日本の経済性や法律による規制面等を考慮すると、最も導入検討がしやすい再エネとして太陽光発電システムの導入が選択されています。
自家消費型太陽光発電の仕組み
自家消費型太陽光発電とは、個人の住宅や企業が所有する事業所の敷地内(屋根・駐車場・(遊休地)に太陽光発電システムを設置し、太陽光で発電した電気を事業所に供給する発電システムです。
自社で作り出した電気を自社で利用する仕組みを「自家消費」と呼び、それを太陽光発電で行うことから「自家消費型太陽光発電」という名称で呼ばれるようになりました。
自家消費型太陽光発電の設置場所
屋根上設置
建物の屋根上に太陽光パネルを設置します。
企業の場合は屋根面積の大きい倉庫や工場、学校等の法人施設に最も多く導入されています。
駐車場設置
敷地内駐車場に太陽光パネルを設置します。多くが太陽光パネルを搭載したソーラーカーポートを使用します。
主に大規模な商業施設、工場、倉庫などの法人施設や公共施設(市民センターや市役所など)に導入されています。
野立設置
空き地や遊休地に太陽光パネルを設置します。
工場や倉庫敷地内で余った土地を活用して導入したり、敷地外の遊休地に設置して【自己託送】という形態で導入したりします。
自家消費型太陽光発電の主なメリット
自家消費のメリットは大きく3つあります。
メリット その1 CO2排出量削減による環境貢献度の向上
化石燃料を使用する火力発電によるCO2排出量と、太陽光発電によるCO2排出量には、以下のような大きな差があります。
種類 | 温室効果ガス排出原単位 |
電力全体の平均 | 約360g-CO2/kWh |
化石燃料火力発電全体の平均(石油、石炭、天然ガスなど) | 約690g-CO2/kWh |
太陽光発電の平均 | 約17g~48g-CO2/kWh |
(出典:中央環境審議会 地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」資料)
とくに電気使用量が多い企業においては、使用する電力を太陽光発電に置き換えることができれば大幅なCO2削減になります。
ESGやSDGsといった言葉とその重要性は、一般消費者にも認知が広まりつつあります。
企業として自家消費型太陽光発電など環境対策への取り組むことは、CO2削減による環境貢献度の向上に繋がるだけでなく、サービスや商品に対するイメージ向上にも繋がります。
メリット その2 非常用電源の確保(BCP対策)
昨今、異常気象による地震や集中豪雨などの災害が頻発しており、それに伴う停電リスクも危惧されています。
停電時でも自家消費型太陽光発電システムを導入していれば、日中発電した電気を非常用電源として使用できます。
また、蓄電池と接続することで夜間や雨天においても非常用電源として使用することが可能になります。
企業にとって非常用電源の確保はBCP対策の一環としても注目されています。
平時から災害に備えて具体的な対策を取っておくことで、社会的信用の向上にも繋がり、万が一にも災害が起きた際は自社のビジネスを守ることはもちろん、非常用電源を地域の方に提供することで地域貢献にも繋がります。
メリット その3 電気コストの削減
太陽光発電の最大のメリットは、太陽光によって発電した電気を無料で使用できることです。その分、電力会社から購入していた電力量が減り電気代の削減に繋がります。
電気会社に支払っている電気代は
①基本料金 ②電気量料金 ③再エネ賦課金 ④燃料費調整額
に分類されます。
これらは全て個別に料金単価が設定され、消費電力に比例して料金が請求されます。
例えば石油価格の値上がりで燃料費調整設定額が上がれば同じ量の電気しか使用していなくても電気料金は高くなります。
自社で使用する電気を太陽光発電でまかない、電力会社から購入する電気を減らすことで、電力会社の料金単価の引き上げ対策になります。
自家消費型太陽光発電の主なデメリット
設置スペース
敷地内に太陽光パネルを設置するスペースを確保する必要があります。消費電力が大きい施設ほど広い設置スペースを確保する必要があります。
発電量が天候に左右される
太陽光発電の発電量は天候による影響を強く受けます。
曇りの時は晴天時に比べて70%から90%低下し、雨天ではほとんど発電できません。発電量シミュレーションもありますが天候に依存する為、想定より低くなる場合があります。
初期投資が必要になる
導入には規模にもよりますが数百万円から数千万円の初期投資が必要になります。
定期的にメンテナンスを行う必要がある
メンテナンスを怠ると発電量の低下や故障や重大な事故に繋がる可能性があります。
設置できない施設がある
屋根の面積、形状や状態、
旧耐震基準の建物の屋根上や高層ビル、影のかかる場所等設置できない場合があります。
詳しい内容につきましてはお気軽にお問合せください。
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